韓国の動画配信を日本で見るには?VPNで見られるもの・見られないもの

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韓国の放送局が配信する番組は、VPNで韓国のサーバーに接続すれば見られるのでしょうか?

2026年8月から9月にかけて、VPN5社(ExpressVPN・NordVPN・MillenVPN・Surfshark・CyberGhost)を契約し、韓国の7つの配信サービスを実際に試しました。結論から言うと、VPNだけで全編見られたのはKBS+の1つだけです。残りは一部しか見られないか、VPNをつないでも見られません。しかも見られない理由の多くは、VPNでは解決できないところにありました。

結論:VPNだけで見られるのはKBS+だけだった

7サービスのうち、会員登録なし・無料・5社すべてで再生できたのはKBS+だけです。KBSの番組を見たいだけなら、韓国サーバーに接続してアプリを開けば済みます。使い方はKBS+の記事にまとめています。

以下の表では△や▲、×が並びますが、無料で全部見られるものが1つあることを先にお伝えしておきます。

韓国の主要配信サービス 視聴可否一覧

凡例:○=VPN接続だけで視聴できる/△=一部だけ視聴できる/▲=到達はできるが韓国の本人認証で会員登録できず視聴できない/×=VPNを使っても到達できない

サービス 判定 視聴できる範囲 壁になっているもの
KBS+ 全編を無料で視聴できる。会員登録は不要(アプリのみ) なし
SBS リアルタイム放送と直近の見逃しは会員登録なしで視聴できる。過去回にはplayスタンダード(月5,500ウォン以上)が必要で、プレイライブ(月3,300ウォン)では視聴できない 決済(可否は未検証)。2026年4月13日から一部の海外IPで見逃し配信の利用が制限されている
Wavve 無料コンテンツは韓国サーバー接続で再生できる。会員登録は韓国の電話番号なしで可能(本人認証はスキップできる) 決済(可否は未検証)。有料はWavve×TVINGダブル利用券が月7,000ウォンから。購入画面に「著作権上の問題により海外視聴不可」と明記
JTBC アプリのみ。リアルタイム放送は会員登録なしで視聴できる 本人認証。会員登録にPASS認証(NICE평가정보)が必要で、選択できるのは韓国の通信事業者6社のみ。日本の回線では認証できず、有料の期間制利用券(オンエア専用30日3,000ウォンから、見逃し30日自動決済8,900ウォン)に進めない
MBC リアルタイム放送はExpressVPNでのみ視聴できた。他の4社では視聴できず。会員登録は韓国の実名認証なしで可能 地域ブロック。同じ韓国サーバー接続でもVPN会社によって結果が分かれた。本編は1話ごとの個別購入で、決済ページまでは到達できるが日本発行カードでの決済可否は未検証
TVING(tvN) 視聴には会員登録が必須で、登録に到達できない。tvNの番組もTVINGで配信されるため、同じ扱いになる 本人認証。会員登録に韓国の携帯番号によるSMS認証が必須で、本人確認にCI/DIを使用する
Coupang Play × 視聴できない 地域ブロック。韓国サーバーに接続してもIPで拒否される。会員登録の要否と料金は、到達できないため未確認

▲と×はそれぞれ1サービスずつですが、意味が違うので分けています。▲は韓国の携帯番号を持っている人なら越えられる壁、×は誰がやっても越えられない壁です。

検証条件は次のとおりです。韓国はソウルのサーバーで統一し、各サービス1回ずつ試しました。配信の再生可否は再現性が高いため、時間帯は揃えていません。

再生画面のスクリーンショットは、この記事には載せていません。各サービスの利用規約に商業的利用を禁じる条項があり、アフィリエイト収益のあるこのサイトはその対象になり得るためです。登録画面やエラー画面など、番組コンテンツが写っていない画面のみ掲載しています。

また、規約に海外利用を禁じる記載がないことは、視聴が許諾されていることを意味しません。放送局の配信権は地域単位で契約されている可能性があり、その内容は利用者には開示されません。

サービスごとの詳しい視聴方法は、それぞれの記事にまとめています。KBS+MBC

なお、フランスの配信サービス(M6+・france.tv・TF1+・arte.tv・myCanal)は別の記事にまとめる予定です。Netflixの韓国カタログは放送局系とは性質が違うので、この記事の対象には含めていません。

過去にVPN経由で再生を確認した内容は「VPNを使って日本からNetflixでジブリ作品を見る方法」にあります。

VPNで韓国に接続しても見られない、3つの理由

VPNが解決してくれるのは、IPアドレスの問題だけです。日本のIPを韓国のIPに見せかけることはできますが、それ以外の壁は越えられません。今回の検証で見られなかったサービスの壁は、大きく3種類に分かれました。

  1. 地域ブロック:韓国のIPでも弾かれる
  2. 本人認証:韓国の携帯番号がないと会員登録できない
  3. 決済:日本発行のカードで払えるかは未検証

地域ブロック:韓国のIPでも弾かれる

韓国の配信サービスは、日本から普通に接続しても見られません。これが地域ブロックです。通常はVPNで韓国のIPに変えれば解決しますが、VPN業者が持っているIPアドレス自体が遮断の対象になっていると、韓国のサーバー経由でも見られません。会員登録の要否も料金も、ここでは関係ありません。

Coupang Playは5社すべてでこの状態でした。ただし弾かれる場所には差がありました。NordVPNではトップページの表示までは到達でき、そこから先に進むと「이 페이지에 접근할 수 있는 권한이 없습니다」(このページにアクセスする権限がありません)という権限エラーになります。

他の4社ではトップページ自体に到達できず、IPの段階で拒否されました。結果はどちらも視聴不可で変わりませんが、VPN会社ごとに遮断の当たり方が違うことが分かります。

Coupang Playで表示された、このページにアクセスする権限がありませんという英韓併記のエラー画面

MBCの見逃し配信と本編も、同じように弾かれました。ただしMBCはリアルタイム放送だけExpressVPNで視聴できたため、次の章で別に扱います。

本人認証:韓国の携帯番号がないと会員登録できない

ページには到達できるのに、会員登録の途中で止まるのがこのパターンです。韓国のサービスは本人確認に韓国の携帯番号を使うことが多く、日本の回線では認証を通せません。

TVINGは会員登録に韓国の携帯番号によるSMS認証が必須で、本人確認にはCI/DIという韓国の本人識別情報を使います。tvNの番組を探している方も同じで、tvNの公式サイトにあるのは数十秒のPR動画だけです。PR動画は韓国サーバーに接続すれば会員登録なしで再生できますが、本編はTVINGに集約されているため、結局この壁にぶつかります。

JTBCはPASS認証(NICE평가정보)が必要です。認証の選択肢はSKT・KT・LG U+と、それぞれの系列の알뜰폰(格安SIM)の計6つで、すべて韓国の通信事業者でした。日本の回線では認証できないため、会員登録は完了せず、有料の期間制利用券の決済も試せませんでした。
ただしJTBCのリアルタイム放送は会員登録なしで見られます。

JTBCのPASS認証で表示される通信事業者の選択画面。SKT・KT・LG U+と各社の格安SIMの6つだけが並んでいる

決済:日本発行のカードで払えるかは未検証

会員登録までは通っても、有料コンテンツの決済が日本のカードで通るかどうかは、今回の検証では確認していません。VPNの契約期間が終わったため追加の検証ができず、ここは未検証のまま載せています。以降、この記事で有料プランの料金に触れている箇所は、すべて「決済できるかどうかは分からない」という前提でお読みください。

SBSの過去回は、playスタンダード(月5,500ウォン以上)が必要です。プレイライブ(月3,300ウォン)では過去回は見られません。Wavveの有料はWavve×TVINGダブル利用券が月7,000ウォンからで、購入画面には「著作権上の問題により海外視聴不可」と明記されています。MBCの本編は1話ごとの個別購入で、決済ページまでは到達でき、実名認証の要求はありませんでした。

WavveとTVINGのダブル利用券の購入画面。ダブル広告型スタンダードが1か月7,000ウォンと表示されている

MBCはVPN会社によって結果が分かれた

今回検証した7サービスのうち、同じ韓国サーバーに接続しても会社ごとに結果が変わったのはMBCだけでした。

VPN 結果 画面で起きたこと
ExpressVPN 無料のPR動画が再生でき、リアルタイム放送の視聴も確認できた
Surfshark × CMの再生までは進むが、本編の再生画面をクリックしても無反応。エラーメッセージは表示されない。複数回試しても同じだった
NordVPN × 「해외에서는 서비스를 이용할 수 없습니다」(海外ではサービスを利用できません)と表示されて再生できない
MillenVPN × NordVPNと同じ地域制限のメッセージが表示されて再生できない
CyberGhost × 無料で見られるはずの切り抜きとPR動画も再生できない

Surfsharkだけは、他の3社で表示された地域制限のメッセージが出ないまま本編で止まりました。入口のIP判定で弾かれているのか、本編の配信段階で別の判定が入っているのかは、この検証では判別できていません。

MBCの会員登録そのものは、韓国の実名認証なしで完了しました。つまりMBCの壁は本人認証ではなく地域ブロックです。会員になれても、VPNのIPが遮断されていれば再生には至りません。

なお各社1回ずつの検証で、再試行はしていません。ExpressVPNのIPがたまたま遮断の対象になっていなかった可能性は残ります。「ExpressVPNならMBCが見られる」ではなく、「今回の検証ではExpressVPNだけが視聴できた」とお読みください。

MBCで表示されたログイン不可の案内画面。会員のIPがセキュリティ上の理由で制限されていると書かれている

そのうえで、MBCのリアルタイム放送を試してみたい方はExpressVPNが唯一の手がかりになります。同じ結果になる保証はありませんし、遮断の状況は時期によって変わります。返金保証の期間内に自分で確かめる、という前提で検討してください。

公式はどう言っているのか:規約と告知を読んでみた

視聴できるかどうかとは別に、各サービスの利用規約と告知に海外利用についてどう書かれているかを確認しました。あわせて13本の規約を読み、条番号は原文で照合しています。

先に断っておくと、規約に書いてあるかどうかと実際に見られるかどうかは一致しません。MBCとJTBCは規約に海外制限の記載がありませんが、どちらも本編は見られませんでした。

SBSは約款ではなく告知で制限している

SBSは2026年4月13日から、一部の海外地域のIPからのVOD(見逃し配信)とクリップの利用を制限しています。日本のIPで実際に制限がかかることも確認しました。

この制限は約款本文には書かれておらず、공지사항(お知らせ)での告知だけで運用されています。告知はSBSのサイトで確認できます。約款を読んでも分からない制限が実際に動いている、という点は頭に入れておいたほうがよさそうです。

SBS playで表示される海外からのサービス利用制限に関するお知らせ。2026年4月13日から制限される旨が日本語で書かれている

MBCは管理画面で海外利用を否定しているが、約款には書いていない

MBCの会員向け管理画面には、海外ユーザーの利用を認めない旨が英文で表記されています。一方、서비스 이용약관・자유이용권 이용약관・유료서비스 이용약관の3本を確認しましたが、いずれにも海外からの利用を制限する条項はありませんでした。

公式の立場は管理画面の表記のほうにあると考えるのが自然です。約款に記載がないことを、海外からの利用が許されている根拠にはできません。

他のサービスの記載

tvNの방송채널 홈페이지 이용약관 제16조6항には、「海外から接続する場合、コンテンツの提供が制限されます」と断定形で書かれています。今回確認した中で、もっとも明確な記載でした。

Wavveは決済手段を選ぶ画面の注意書きに、著作権上の問題により海外では視聴できない旨が明記されています。あわせて유료상품 이용약관 제6조4항(2026年8月31日施行)に、提供元や国ごとのライセンス方針、地域ごとの著作権や事業権域の問題によって、利用できるコンテンツの条件が変わり得ると定められています。そしてこうした制限は会社の帰責事由にはあたらない、とも書かれています。同じ項で、会員が利用している国と地域を確認するために、IP情報の確認と本人認証の手続きを経る場合があるとしています。

Wavveの決済手段の選択画面。下部の注意書きに、著作権の問題により海外では視聴できない旨が韓国語で書かれている

JTBCは서비스・이용권・유료 서비스の約款3本に海外利用の記載がありません。購入ページには海外決済時の手数料についての注意があり、海外からの購入自体は想定されているようです。

再生画面のスクリーンショットを載せていない理由も、これらの規約にあります。MBCの제17조3항、Wavveの제18조3항、tvNの제22조3항、SBSの제15조2항と제18조8항、JTBCの제21조4항は、いずれも商業的な利用を禁じています。Wavveは営利・非営利を問わない書き方です。

それでも韓国の番組を見たい人はどうすればいいか

見られる側から拾い直します。

KBSの番組は、KBS+のアプリで会員登録なし・無料で全編見られます。5社すべてで再生できたので、VPNの選び方に神経質になる必要もありません。設定手順はKBS+の記事を参照してください。

SBSとJTBCのリアルタイム放送は、会員登録なしで見られます。放送中の番組をそのまま見たいだけなら、有料プランや本人認証は不要です。Wavveも無料コンテンツは韓国サーバー接続で再生できます。

いずれも韓国のIPアドレスは必要なので、VPNは前提になります。ただしこの記事で見てきたとおり、VPNをつないでも見られないサービスがあることは、契約前に知っておいてください。

速度で選ぶならNordVPN

見られる側のサービスはどれも動画の再生なので、回線速度の落ち方がそのまま視聴の快適さに響きます。今回5社の速度もあわせて計測しましたが、VPNに接続していない状態を基準にした維持率がもっとも高かったのはNordVPNでした。拠点ごとの数値は速度を実測した記事に載せています。

MBCで唯一視聴できたのはExpressVPNですが、1回の検証結果なので選ぶ根拠にはしていません。速度という別の軸で比べたときに数字が出ているのはNordVPNです。

料金や同時接続台数を含めた各社の比較は韓国の動画を見るためのVPN比較にまとめています。合わなければ返金保証の期間内に解約できます。

まとめ

VPNで解決できるのはIPアドレスの問題だけです。韓国の配信サービスの壁は地域ブロック・本人認証・決済の3種類あり、VPNが効くのはこのうち地域ブロックの一部に限られます。

無料で全編見られるのはKBS+だけでした。SBS・JTBCのリアルタイム放送とWavveの無料コンテンツは、会員登録なしまたは韓国の電話番号なしで見られます。TVING(tvN)は韓国の本人認証が壁になり、Coupang PlayはVPNをつないでも到達できません。MBCだけはVPN会社によって結果が分かれました。

フランスの配信サービスについては別記事を準備中です。Netflixの韓国カタログについてはこちらの記事で扱っています。

くろ絵

編集・監修|マイペース旅

パリ語学留学・旅行書出版社出身。NordVPN・MillenVPN・ExpressVPN・CyberGhostなど6社のVPNを実契約し、150名アンケートを実施したライター。
ヨーロッパ・アジア3カ国の旅の経験をもとに書いています。

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