ヨーロッパ旅行の際、「現地でのインターネット環境をどうしよう?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
本記事では、
- ヨーロッパ旅行者におすすめするeSIMの選び方
- ヨーロッパ旅行者におすすめeSIM 7選
- eSIM導入手順
について説明します。参考になれば幸いです。
eSIMとは差し替え不要なSIM
eSIMとは、物理的なSIMカードではなくスマートフォンなどデバイス本体にあらかじめ埋め込まれたSIMのことです。
通信キャリアの契約情報をインターネット経由で端末にダウンロードすることで、従来のSIMカードと同様に通話やデータ通信ができるようになります。つまりeSIMは「埋め込み型の電子SIMカード」であり、カードの抜き差しなしにプロファイルの書き換えで通信契約を切り替えられる仕組みです。
最近ではeSIM対応スマホが増え、海外では物理SIMスロットを搭載しないeSIM専用モデルも登場しています。従来のSIMカードと違い、オンライン手続きだけで契約から開通まで完結し、郵送を待つ必要もありません。SIMカードを差し替える手間がないため紛失・破損のリスクもなく、スマホの設定画面から簡単に回線を追加・切り替えできる点も大きな違いです。
ヨーロッパ各国を複数周遊するのであれば、EU圏内を中心に複数の国で利用可能なリージョナル(周遊)プランがおすすめです。国境を越えるたびにSIMを買い直したり設定を変更したりする必要がないため、複数の国を巡るヨーロッパ旅行には最適な通信手段です。
ヨーロッパ旅行向けeSIMの選び方ポイント
ヨーロッパ旅行でeSIMを選ぶ際には、以下の5つのポイントを重視すると、自分の旅程や使い方に最適なプランを選びやすくなります。
1. 滞在する国をカバーしているか
まず確認すべきは「自分が訪れる国に対応しているか」です。ヨーロッパ向けのeSIMプランでも、サービスごとに対応国数やエリアが異なるため注意が必要です。
特に東欧やバルト三国など、主要国以外への訪問がある場合は、対象外の可能性があるため事前チェックが欠かせません。
2. 料金プラン(データ容量と有効期間)
「何日間滞在するか」「どれくらいデータを使うか」に応じて、最適なプランを選ぶことが大切です。
例えば1週間の旅行なら、7日間で3GB程度のプランで十分なことも多いですが、Googleマップの利用や配車アプリの手配などホテル以外で通信量が多くなる方は無制限プランの検討も必要です。
3. 日本語でサポートしているか、サポート時間は十分か
eSIMは設定や通信の仕組みに慣れていないとトラブルが起きやすいため、サポート体制の充実は安心感に直結します。日本語対応のチャットやメールサポートがあるサービスなら、万が一のトラブル時にもスムーズに対応できます。
eSIMのインストールに不安のある方は旅行する前日に行うなど、余裕をもって操作することが重要です。
4. アプリは操作しやすいか
eSIMのインストールや管理に不安がある方は、操作が簡単なサービスを選ぶと安心です。
アプリからの購入・設定がスムーズなサービスや、QRコードを読み取るだけで完了するタイプなど、手間が少ないものを選びましょう。
5. 通信品質と付加機能
eSIMは現地の大手キャリアのネットワークに接続するため、通信品質は高い水準にありますが、提供サービスによって速度や安定性に違いが出ることもあります。VPN付きやデータ残量確認機能付きなど、付加機能も要チェックです。
次章では、これらの選び方ポイントをふまえて、ヨーロッパ旅行におすすめのeSIMサービスを7つ厳選し、比較表付きで紹介します。
ヨーロッパ旅行で使えるおすすめeSIM比較7選
ここでは、ヨーロッパ旅行におすすめのeSIMサービスを厳選して7社ご紹介します。対応国数・料金・サポート・使いやすさなどを比較し、自分のスタイルに合ったeSIM選びの参考にしてください。
おすすめeSIMサービス比較表
サービス名 | 対応国数(ヨーロッパ) | プラン例 | 参考価格 | サポート |
---|---|---|---|---|
Saily | 35カ国 | 1GB / 7日間 | 4.99USD | 日本語チャット(自動翻訳、24時間) |
JAPAN&GLOBAL eSIM | 49地域 | 5GB / 7日間 | 1,750円~1,850円 | 日本語メール(9時~18時) |
Airalo | 42カ国 | 1GB / 7日間 | 750円 | 日本語チャット(24時間) |
trifa | 60カ国 | 3GB / 7日 | 1,960円 | 日本語チャット(24時間) |
Ubigi | 40カ国以上 | 10GB / 7日間 | 1,200円~ | 日本語メール(平日9時~17時) |
Nomad | 36カ国 | 1GB / 7日間 | 650円~795円 | 英語チャット、メール(アプリ対応) |
Holafly | 40カ国以上 | 無制限 / 7日間 | 4,290円 | 日本語チャット(24時間) |
Saily(セイリー)|NordVPN開発のセキュアなeSIM
SailyはVPNで有名なNordVPNが提供しているeSIMサービスです。世界200カ国以上に対応し、ヨーロッパでも35カ国に対応したプランがあります。1GB/7日間が$4.99(約750円)と非常に安価です。
アプリ操作で再利用も簡単。VPNや広告ブロックなどのセキュリティ機能が組み込まれている点も特徴で、公共Wi-Fiを避けたい方にもおすすめです。
JAPAN&GLOBAL eSIM|日本発の安心感&プランの豊富さ
日本の会社が提供するeSIMサービスで、ヨーロッパを含む世界190の国と地域に対応。とくに複数の国を回る旅行者にとって、周遊プランが非常に充実しています。
プランは500MB~30GB、有効期間は1日~30日と幅広く、旅行の日程やデータ使用量に応じて柔軟に選べます。
日本の会社の安心感を重視したければ、JAPAN&GLOBAL eSIMがおすすめです。
Airalo(エアアロ)|世界初のeSIMストアで安心の定番
Airaloは世界で最も利用されているeSIMプラットフォームの1つで、旅行者の間で信頼性の高いサービスとして評価されています。ヨーロッパ向けの「Eurolink」プランは42カ国に対応し、1GB/7日間が750円と価格も手ごろ。
アプリが非常に使いやすく、残量確認やチャージもスムーズに行えます。英語のチャットサポートも24時間対応しており、海外経験者にとってはコスパの高い選択肢です。
trifa(トリファ)|日本語チャットが使いやすい
trifaは、初心者にやさしいeSIMアプリとして人気が高まっています。アプリから購入・残量確認・チャージまで簡単にでき、eSIMを使ったことがない人にも直感的に扱える仕様です。
料金もリーズナブルで、ヨーロッパ60カ国対応の1GB/3日間が790円~と格安。さらに24時間の日本語チャットサポートがあるため、トラブル時にも安心して相談できます。
Ubigi(ユービジ)|大容量&長期滞在向け
Ubigiは、10GBや20GBといった大容量・長期間のプランが充実しており、1ヶ月以上の滞在や出張・留学にも向いています。ヨーロッパ1カ国から指定が可能で、フランスであれば7日間10GBで1,200円です。
日本語メールサポートもありますが、平日9~17時の対応なので注意が必要です。
月額プランや年額プランも用意されており、長期留学や駐在でヨーロッパに滞在予定の方にも適しています。
Nomad(ノマド)|データ使い切っても低速で繋がる
NomadはLotusFlareというアメリカの企業が運営するeSIMサービスで、ヨーロッパ36カ国に対応。価格も安く、1つの国に滞在であれば1GB/7日間が650円。通信キャリアを自動で切り替えるマルチキャリア対応で、エリアによって接続先を最適化してくれます。
特徴的なのは、日割り契約であればデータを使い切っても低速で継続される点。ちょっとした調べ物なら継続利用が可能です。英語チャットとメール対応ですが、レスポンスも早く安心です。
Holafly(オラフライ)|データ無制限プランならこれ
Holaflyはスペイン発のeSIMブランドで、最大の特徴は無制限のデータ通信です。ヨーロッパ40カ国以上に対応しており、たとえば7日間無制限で4,290円という価格設定です。
長時間マップやSNS、動画を使う人にはピッタリ。もちろん日本語の24時間チャットサポートにも対応しています。
容量を気にせず海外でインターネット回線を使いたい方におすすめです。
eSIMの購入方法と設定手順(使い方ガイド)
初めてeSIMを使う方にとって、「ちゃんと使えるの?」「設定が難しそう」と不安もあるかもしれません。ここでは、eSIMの購入からスマホへの設定方法、現地での使い方までをわかりやすく解説します。
ステップ1:eSIM対応スマホか確認する
まず、お使いのスマートフォンがeSIMに対応しているかを確認しましょう。
- iPhoneの場合:XS、XR以降の機種(SE第2世代以降も含む)は基本的に対応。
- Androidの場合:Google PixelやGalaxyの一部モデルなど。端末情報で「EID」が表示されるか確認。
また、eSIMを利用するにはSIMロック解除済みである必要があります。大手キャリアで購入した端末は事前にSIMロック解除をしておきましょう。
ステップ2:eSIMを購入する
eSIMの購入方法は大きく分けて以下の2つです。
- アプリから購入:Airalo、Saily、Nomadなど。アプリでプラン選択・決済・インストールまで完結。
- Webサイトで購入:Holafly、JAPAN&GLOBAL eSIMなど。QRコードがメールで送られてくるタイプ。
いずれの方法でも、日本出発前に購入・設定を済ませておくと安心です。出国後、空港やホテルでWi-FiがないとeSIMのダウンロードができません。
ステップ3:スマホにeSIMを設定する
QRコードを使って設定する場合、以下の手順で行います(iPhoneの場合)。
- スマホ以外の端末(PCやタブレットなど)にQRコードを表示
- iPhoneの「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」をタップ
- カメラでQRコードを読み取る
- プロファイルの名前を「ヨーロッパ旅行用」などに設定して完了
Android端末でも設定画面から「モバイルネットワーク」→「SIMを追加」の手順で同様に設定できます。
ステップ4:現地でeSIMを有効化する
eSIMをインストールしても、出発前に有効化しない限り通信は始まりません。ヨーロッパ到着後に以下を実行しましょう。
- 設定→モバイル通信で前章で作成したプロファイル「ヨーロッパ旅行用」のeSIM回線を「オン」にする
- 「データローミング」をオンにする
- 「モバイルデータ通信」に使う回線をeSIMに切り替える
その後、ブラウザやGoogleマップを開いて通信が開始されているか確認しましょう。うまく接続できない場合は、機内モードのオン・オフや端末の再起動を試してみてください。
よくある質問(FAQ)
ヨーロッパ旅行でeSIMを利用する際によくある質問をまとめました。
Q1. eSIMを使うにはどんな条件が必要ですか?
eSIMに対応したスマートフォン(iPhone XS/XR以降、Pixelシリーズなど)と、SIMロックが解除されている端末が必要です。また、設定時にはWi-Fiなどのインターネット接続が必要となります。
Q2. 通信速度や品質は大丈夫ですか?
多くのeSIMサービスは、ヨーロッパの大手通信キャリアの回線を利用しており、都市部では高速な4G/5G通信が可能です。ただし、山間部や地方では速度が低下することもあります。
Q3. 音声通話やSMSは使えますか?
ほとんどの旅行者向けeSIMはデータ通信専用で、音声通話やSMSには対応していません。通話が必要な場合はLINEやWhatsAppなどのアプリを利用しましょう。
Q4. 日本で事前に設定しておくべきですか?
はい。eSIMのインストールと初期設定は日本で済ませておくのがおすすめです。現地に到着したら「回線オン」と「ローミングオン」で通信を開始できます。
Q5. データ容量を使い切ったらどうなりますか?
多くのeSIMはアプリやWebから追加チャージ(トップアップ)可能です。一部のサービスでは、使い切った後も低速通信でつながるプランもあります。
まとめ
ヨーロッパ旅行中、スマートフォンで快適にインターネットを使いたいなら、eSIMの利用は非常に便利です。現地でSIMカードを探す手間もなく、出発前に日本から簡単に準備できます。
本記事では、Saily・JAPAN&GLOBAL eSIM・Airalo・trifa・Nomad・Ubigi・Holaflyの7つのeSIMを比較しました。それぞれに特徴があるため、自分の旅行スタイルや予算に合わせて最適なプランを選びましょう。
とくに初心者の方は、日本語サポートがあるサービスやアプリ操作がわかりやすいものを選ぶと安心です。ぜひ本記事を参考に、eSIMでストレスフリーなヨーロッパ旅行をお楽しみください。